
沖永良部島の和泊町研修センター(和泊町根折)で7月29日、放課後児童クラブ「のほほん」に通う児童らを対象にイベント「だしのうまみを体験しよう」が開かれ、小学1~5年の児童22人が参加した。同島出身の料理人・福山大成さんが講師を務め、昆布やかつお節からだしを取る工程を子どもたちに伝えた。
プログラムでは、昆布の香りを嗅いだり、かつお節を鍋に入れたりするなど、子どもたちが五感を使って「だし文化」に触れた。完成しただしを味わった子どもたちからは、「おいしい」「味がしない」「たこ焼きの味がする」など声が聞かれた。
だしを煮出している間、同島の方言「しまむに」を使った神経衰弱ゲームも行われ、子どもから大人までが一緒になって楽しんだ。福山さんは「島の子どもたちは素直で反応がいい。都会と比べて島は人が少ない分、和食文化が浸透しやすい。将来、料理に関心を持ってくれたら」と期待を込める。
福山さんは沖永良部島の喜美留字出身。大阪で料理修業を積んだ後、在アゼルバイジャン日本国大使館で料理人として活躍した経歴を持つ。専門は和食で、今回のイベントでも本格的な手順でだしの取り方を紹介した。
当日は、中国出身のチョウ・ショクバイさん、カンボジアで教育支援のインターンシップ経験を持つ石黒晴花さん、ベトナムでライターをしていた水嶋健さんもゲストとして参加。世界地図と地球儀を使って、それぞれにゆかりのある国の場所や特徴を子どもたちに伝えた。
和泊小学校3年の小濱晴君は「昆布だしを飲むとほわっとした、あんな味と思わなかった」と驚きの声を上げ、国頭小学校2年の勝男結さんは「合わせだしが一番おいしかった。チョウさんは日本語もしゃべれてすごいし、優しかった」と振り返る。チョウさんは「だしを使ったみそ汁はおいしい。子どものうちからこのような学びの機会があるのはとても良い」と話していた。