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沖永良部島で法政大生が農業体験 農作業や意見交換通じ離島の課題と向き合う

畑で沖永良部島の形を模したポーズを取る参加者らと農家関係者

畑で沖永良部島の形を模したポーズを取る参加者らと農家関係者

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 沖永良部島の和泊町で7月3日~8日の6日間、法政大学現代福祉学部の学生3人が農業体験を中心とした社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」に参加した。4日・5日に実施した農作業や意見交換などを通して、学生らは離島が抱える課題と向き合った。

日傘を差してユリの堀取り作業を行う様子

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 プログラムは、フードロス削減を目的としたショッピングサイトを運営するクラダシ(東京都品川区)が実施する「クラダシチャレンジ」の一環で、和泊町と日本エアコミューターとも連携。同町が抱える人口減少や農業担い手不足、気象条件による被害、輸送課題などに対し、島外の若者が関わる機会を創出している。クラダシチャレンジの開催は通算50回を超える。

 参加したのは、2年の井ノ上敦也さんと加納羽花さん、3年の西澤梨乃さん。農作業ではインドネシアやベトナムの技能実習生とペアを組んでユリの球根の堀取り作業を実施。学生からは「機械化できるのではと考えていたが、実際にやってみると、手作業でないと難しく、費用面でも簡単に提案できないと感じた」「母と近い年齢の技能実習生の方に優しく教えてもらった」などの声が聞かれた。

 7日には島内の事業者らとの意見交換会を行った。学生たちは「当初は大学生に島のリゾートバイトを紹介する企画を検討していたが、滞在を通して顔の見える関係を築くことが必要だと思った。島に大学がないからこそ学生の意見が貴重だと実感した」と振り返る。

 チャレンジを終え、学生の一人は「来る前は農業や観光などのイメージが強かったが、滞在中は食堂の方など偶然出会った方に案内してもらうことが何度かあり、思い浮かべるのは人ばかり」と島の印象について話す。

 受け入れ先の「沖農園」代表の沖裕任さんは「暑い中の作業で、救急車を呼んでおいた方がいいのではと心配したが、みんなよく頑張ってくれた」と学生たちの奮闘をたたえた。農業の厳しさや可能性についての話も交え、「農業に興味があれば、2~3年やって自信を付け、ネットなどを使って自分で値段を決めて売ることが大事」と具体的なアドバイスを送った。

 クラダシ担当の佐々木陸空さんは「意見交換会では、学生たちは深く考え自分の言葉で話してくれて、町からも評価を受けた。先生も現地に来ていただき熱量を感じた。活動を通して、皆さまに課題やフードロスに対して注目していただき、その輪を広げていければ」と話す。

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