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沖永良部島のケーキ店がSNS乗っ取り被害 新アカウントで再起、応援続々

焼き上がった菓子を持つ清水さん

焼き上がった菓子を持つ清水さん

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 沖永良部島の菓子製造業「島のケーキ屋さん」(知名町瀬利覚)が6月28日、インスタグラムで店頭販売の告知を行ったところ、同島の飲食店や菓子職人仲間からシェアが相次ぎ、2日間でフォロワーが約100人増えた。同店は5月下旬にアカウントの乗っ取り被害と停止に遭っており、新アカウントで再起を図ってから1カ月後のことだった。

「島のケーキ屋さん」外観

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 店主の清水静香さんが以前のアカウントを立ち上げたのは2018(平成30)年。7年以上の月日をかけて、菓子の写真や商品を店に卸す様子を発信し続け、島民を中心に約1800人のフォロワーを抱えるまでに成長。しかし、5月下旬に突如として永久停止処分を受け、運用できなくなってしまった。原因は不明だが、直前に不審な乗っ取り被害に遭っていたという。

 異議申し立てを行ったが、解決せず断念。「このままではいけない」と新アカウントを立ち上げたものの予約が激減し、事業にも影響が出た。LINE公式アカウントも新設し、予約や問い合わせの窓口を整備。6月は注文が落ち着く時期だったことが唯一の救いだった。

 転機が訪れたのは、ケーキ販売キャンペーンを行った直後。地元の創作料理店「うちゅま~Kitchen」を営む岡本美奈さん・アルさん夫婦や菓子職人仲間の和田ゆうさんが新アカウントをシェアして応援。2日間でフォロワーが約100人増加した。

 岡本さんは「少しでも売り上げに貢献できればと思い、ケーキを購入して店のインスタグラムで紹介した。店を立ち上げる前に光熱費の事情について相談に快く応じてもらったので、少しでも恩返しになればと思った」と話す。清水さんは「涙が出るほどうれしかった。つらかったが、今回のことで島の人たちの優しさを改めて感じられた」と振り返る。

 アカウント停止後、帰省中に母親からかけられた「これは災難ではなく試練。人は見てくれている」という言葉に背中を押されながら、清水さんは再出発に向けて動き出している。現在は、注文や問い合わせはLINE公式アカウントを中心に受け付けており、インスタグラムの新アカウントでは引き続き最新の情報を発信している。

 同店の看板商品は、季節ごとのケーキを少しずつ詰め合わせた「季節のアラカルトケーキ・タルト」。知名町のふるさと納税でも人気が高く、同町の寄付数ランキングでは常に上位を占めている。店頭での販売はインスタグラムで告知している。

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