
鹿児島県民大学中央センターと与論町教育委員会の共催による生涯学習県民大学講座「空き家にしないために~今、しておきたいコト」が6月28日、与論町地域福祉センター(与論町茶花)で開かれた。
全国古民家再生協会鹿児島第1支部支部長の西浩隆さんが講師を務め、与論町住生活基本計画などを基にした社会背景の解説と、空き家問題への具体的な対応策について講演した。
西さんは、人口減少で50年後には社会の維持が難しくなる状況の中、官民連携での取り組みが不可欠であるとし、与論島ではその準備が整いつつある点を評価した。与論町で受けられる助成制度や、「与論住まいるプロジェクト」などの官民連携の活動も紹介した。
西さんは空き家への対応は「自ら住む」「売却・賃貸」「解体」の3つしかないと説明し、どの選択肢を選ぶ場合でも、最初の一歩は「片付け」であると呼びかけた。空き家問題が解決されない最大の理由は「親が子に家や財産のことを伝えていない現状にある」と指摘。残された家族の負担を軽減するための「終活」の重要性を訴えた。
講演を終え、西さんは「具体的な質問や、今後を考えた質問が出たことで、与論の方々が真剣に考えていることがよく分かった。地域づくりに関わる方々にもお会いできたので、与論島の今後の展開が楽しみ」と話した。