
小学生を対象としたイベント「十五夜踊りのウラガワ探検隊」が4月12日、サザンクロスセンターと与論十五夜踊り保存館(与論町立長)で開かれた。
踊り手の高齢化と後継者不足が懸念される国の重要無形民俗文化財「与論十五夜踊り」への関心を高めることを目的に、与論高校3年の沖寧音さんが企画・実行し、与論十五夜踊り保存会、与論町教育委員会、与論町海洋教育推進協議会が協力した。
当日は小学生7人が参加し、沖さんが準備した選択式のクイズ用紙を使って進行。前半はサザンクロスセンター内で沖さんが解説とクイズを出題し、後半は保存館に移動して、児童らが奉納の準備をする踊り手にインタビューしながら正解を探した。
児童らは、「二番組で使われている道具の中で最も古いものは何か」「一番組で使われている旗のモチーフは何か」など、普段は接する機会の少ない踊り手との交流を通して、さまざまな問題に答え、十五夜踊りへの理解を深めていた。
参加した児童の一人は「一番組、二番組の踊り手がたくさん話をしてくれて、いろいろ知ることができた。夜も家族と一緒に見に行くのが楽しみ」と話す。
沖さんは「中学生の頃から総合的な探究の時間に十五夜踊りを調べてきた。後継者不足を食い止めるため、自分にできることを考え企画した。子どもたちが普段見られない『裏側』に興味を持ってほしいと思って企画した。思った以上に楽しんでもらえたようなので、うまくいって安心した」と振り返る。十五夜踊りの魅力について、「一つ一つのしきたりや踊りの動作に意味があり、それが460年以上受け継がれてきたことがすごい。知れば知るほど魅力が深まる」とも。
保存会の麓誘市郎さんは「子どもたちに関心を持ってもらうことは、十五夜踊りの将来にとって大切。今回、高校生がそのための企画をしてくれたのはとても意義深い」と話す。