
沖永良部島・芦清良字の「江戸時代の地下ダム」(知名町芦清良)で2月25日~3月1日の5日間、同字区長の山本先友さんが除草作業を行った。
地下ダムは18世紀ごろ、田んぼの用水に引く地下水をせき止めるため掘られた。報酬に米を払い、島中から集まった人が共同で作業を行ったという。同スポットは2月、同島で後世に残したい文化や場所とする「エラブ世間遺産」の一つに認定され、解説用の看板が立てられた。
山本さんは「毎年4月に約90人の字民で作業を行うが、(世間遺産に認定されたため)見苦しくないように除草した。地下ダムは観光協会からも近いので、使われていた当時を想像しながら見てほしい」と来島者を中心に呼びかけた。
世間遺産は同スポットのほか、知名町から下城字の「世之主誕生の地と世之主神社」など6カ所、和泊町から国頭字の「岬神社」など3カ所が認定されている。認定に際してエラブ世間遺産登録推進事業を担う、おきのえらぶ島観光協会事務局長の西温子さんは「伝えたい、残していきたい場所は島内にまだまだあるのでは。認定をきっかけに、文化継承や観光資源への活用について議論が活発化すれば」と期待を寄せる。