沖永良部島の国頭字で1月18日・19日、ワークショップ「昔ながらの塩作り体験」が行われた。
2日間で延べ16人が参加。浜でくんだ海水をろ過し、煮詰めるなどの工程を経て塩作りを実践。海水がサラサラの塩に変わる様子に、参加者らから驚きの声が上がった。
国頭字は海に近く、塩害で作物が育ちづらい環境だったため、海水で作った塩を他の地域と米などと交換して生活してきた歴史がある。同イベントは、当時の様子を子どもの頃に見て、塩作りを手伝っていた同字の秋田茂保(しげやす)さんの指導の下で進められた。
ワークショップは、同字でレストラン「private dining 陽」を営む後藤健太さん・華南さん夫婦と、ヨガ教室「erabuyoga」(和泊町古里)を主宰するERIさんが共催。健太さんは「呼びかけると興味のある人が多かったため、開催した。今は塩をすぐ買うことができるが、昔は重労働だったとよく分かった。興味深そうに釜を見つめているみんなの姿がほほ笑ましかった」と振り返る。
参加した西谷麻巳さんは「塩作りを通して歴史を学び、さまざまな世代と交流できてとても楽しかった。島にルーツはないが、今後もこうした体験には積極的に参加したい」と話していた。塩作りを指導した秋田さんは「子どもから大人まで、みんなで集まれるコミュニティーを作るのが僕の夢。塩作りを通してこうして集まれたことがうれしく、元気をもらった」と振り返る。