オーストラリアのクルーズ船「コーラル・ジオグラファー号」が10月12日、乗客102人と船員41人を乗せて沖永良部島の伊延港(和泊町伊延)に寄港した。乗客らは貸し切りバスに乗り込み、和泊町と知名町の二手に分かれて島内を巡った。ガイドは同島在住の地域通訳案内士が務め、高校生ボランティアも手伝った。
和泊町のグループは最初に国頭小学校を訪問。ガイドの説明を聞きながら校庭の「日本一のガジュマル」を観賞した後、同校の児童や地域住民が民謡「永良部百合の花」に合わせて踊りを披露する様子を楽しんだ。途中で乗船客も輪に加わって踊り、児童から三味線を教わるなどして交流。その後、フーチャ(潮吹き洞窟)や高千穂神社、ワンジョビーチを訪問した。
知名町のグループは田皆岬や、伝統工芸品である芭蕉布を学べる芭蕉布会館を訪れた。専門ガイドが鍾乳洞を案内するケイビングを楽しんだ乗船客もいた。
クルーズ船の出港時には約50人の島民らが伊延港に駆け付けて、色とりどりの紙テープを互いに握り合って別れを惜しみながら見送った。クルーズ船はこの後、沖縄本島と台湾を訪問する予定。
和泊町のガイドを務めた西田真弓さんは「景勝地だけでなく、島民の皆とふれ合う機会を作りたいと関係者で計画してきた。旅行者からは『えらぶを楽しむにはもう一泊欲しい』とうれしい言葉を頂くなど、島の人の温かさや伝統文化を肌で感じてもらえて良かった」と振り返る。