2人乗り用タンデム自転車体験会が10月12日、沖永良部島・下平川小学校(知名町下平川)で開かれた。小学1年~70代の約30人が参加。初めての2人乗り自転車に最初は戸惑いながらも、会話を楽しみながら校庭を駆け巡った。
タンデム自転車は前列で操縦する「パイロット」と後列で走力を補う「ストーカー」に分かれて乗ることができる自転車。最前列の運転席以外は運転する必要がないため、視覚障害を抱える人でも乗ることができるという。主催は同島で指定障害福祉サービス事業などを行うNPO法人「エラブてぃぬひら」。
体験会で使ったタンデム自転車6台は、1台は同島の住民の私物で、他5台は熊本在住の稲葉洋一さんから貸与されたもの。体験会にも参加した稲葉さんは「今までも視覚障害に関わるイベントなどで貸し出していたが雨で中止することもあったため、実現できて良かった。体験会の様子を見ていて、島の方はとても好奇心が強いと感じる」と話す。
同校の西啓亨校長はあいさつで「赴任前から、沖永良部島は平らな道が多く自転車向きの島だと聞いていた。鹿児島市内に比べて交通量も少ないのでタンデム自転車はぴったり。下平川小学校の校庭でよければ、いつでも使ってほしい。毎年恒例のイベントにしたいくらい」と話す。
同NPO代表理事の清村明仁さんは「2人で乗ると会話が弾んで笑顔が生まれる。楽しいと感じてもらうことでパイロットが増えれば、視覚障害者がいつでもタンデム自転車に乗って買い物などへ行ける環境につながる」と期待を込める。