全国の離島で島づくりに取り組む35人が徳之島に集い、10月1日~4日、人材養成大学に参加した。
北は飛島(山形県)、南は与那国島(沖縄県)の地域活性化や地域産業に携わるプレーヤーが集い、現地フィールドワークや地元講義、受講生チームのワークショップを経て、自らできることを明確化し、それぞれの島へ戻っていった。
主催は日本離島センターで、1992(平成4)年度に初開講して今年で32回目。日常とは異なる環境に身を置くことで自分自身を見つめ直し、それぞれの島が置かれている環境やニーズを的確に認識し、島の再発見や地域資源の有効活用などを具現化して島づくりのマネジメントができる人材を目指す。
受講生たちは徳之島での研修を前に、オンラインでの事前学習と島紹介や活動紹介、個々の困り事相談などを共有し、互いの背景を知って対面の研修に臨んだ。ものづくりや教育、観光など携わる業種は異なるものの、離島として共通する悩みや、同じ離島でも人口規模の違いから立ち位置が異なるケースなど、講義の合間にも互いの見聞や考えを深めていた。
現地では集落歩きや夜の森のナイトツアー、地元講師による徳之島に関する講義を挟み、連続するワークショップを行う日程で、夜を徹して意見交換する参加者の姿も見られた。最終日は島々からの地酒の紹介と試飲で互いの努力をたたえ合う姿があちこちで見られた。
参加者の一人で佐渡島の「島とりどり」業務執行社員である江龍田崇大(えりゅうでんたかひろ)さんは「徳之島の温かさに触れ、島づくりを担う同志との出会いと学びは人生の中でかけがえのないものになった。今回の刺激とワクワクした気持ちを胸に、島づくりにこの経験を生かしていきたい」と意気込む。
日本離島センター調査係長の佐伯直樹さんは「徳之島3町の協力の下、充実したプログラムが実施できた。今後も島々の人材育成に資する研修内容にさらに磨きをかけていきたい」と話す。