徳之島町北部の里久浜で7月28日、「徳之島キッズグロムサーフィン」(徳之島町花徳)が主催するビーチクリーンと砂浜アートあそびが行われ、親子連れなど約20人が参加した。
7時30分に始まったビーチクリーンは、20分ほどの実施でペットボトルやプラスチック片、漁具などの漂着ごみが約5袋分集まった。その後、ライフセーバーによって潮の満ち引きに関する知識や海で遊ぶ際の注意点などのレクチャーが行われた。続いて行われた砂浜アートでは、参加者らが流木や足などを使い、砂浜という巨大なキャンバスに思い思いの絵を描き、ドローンで空中撮影を行った。
島内の子ども向けにサーフィンを指導している同団体代表の坪田千里さんは、今回のイベントについて、「海の楽しみ方は人それぞれ。海に入らなくても楽しめる企画を行いたかった」と話す。「砂浜アートは潮の満ち引きが大きく、波の影響によって適度な水分を含んだ砂が特徴である里久浜ならではの遊び方。隣の花徳浜は、砂浜が減ってウミガメの上陸数が減少している。全国的にも砂浜が減少している中で、ここに豊かな砂浜があるということをまず知ってほしい」とも。
参加した小学5年の女児は「砂浜をきれいにできて良かった。3歳ごろに海で怖い経験をしてサーフィンを一度やめたが、千里さんと会って楽しそうだと思い、また始めることができた」と話す。女児の母親は「普段からこの海で遊ばせてもらっているので、ごみ拾いでお礼ができたかな」とも。
徳之島は周囲約80キロ、車で1周すると約2時間の広さ。海岸により地形や地質が大きく異なるという特徴がある。徳之島町北部地区は島の中でも珍しく砂浜が広がる海岸があり、中でも里久浜はリーフ(陸地を囲むように発達したサンゴ礁)がないことから、島内のサーファーが訪れることが多い場所の一つになっている。
同団体は、子どもたちに海の楽しさを知ってもらうことを目的に2023年に立ち上げ。日本サーフィン連盟公認指導員やサーフィン海上安全指導員の資格を持つ坪田さんが個人的に数人の子どもへサーフィンを教えていたところ、評判が口コミで広がっていった。地元サーファーたちの協力を得ながら活動を続け、現在は在籍数延べ30人以上、対象は年長~中学生に拡大。奄美群島で初めて、小学校でサーフィンの授業を行うなど、環境教育にも携わっている。