「第31回やんばる駅伝競走与論島大会」が5月18日、与論島で開かれ、多くの島民が声援を送る中、与論町チームが悲願の初優勝を決めた。主催は同実行委員会、与論町、琉球新報社。
沖縄本島北部12市町村から参加した13チームと与論町チームの合計14チームは、与論町総合グラウンド(与論町茶花)をスタートし、島内を9区間、43.1キロを走り抜けた。
同駅伝は伊江島、伊平屋島、伊是名島、与論島の各島の持ち回りで開催。与論町は1995(平成7)年に開催した第4回の伊平屋島大会から参加している。与論島での開催は8年ぶり。
開催に当たり、与論町役場をはじめ多くの関係者が協力して運営し、町民らは沿道から応援して与論チームの優勝を支えた。
与論町チームの川上嘉久監督は「メンバーは普段から個人でトレーニングしている。一緒に練習を始めたのは4月。冗談では、このメンバーなら優勝を狙えると言っていたが、まさかここまで差をつけて優勝できるとは思わなかった。地元開催で、最後まで声援があったおかげ」と振り返る。
アンカーを務めた山田勇基さんはゴールの瞬間について、「本当に楽しかった。多くの与論島の人たちに応援してもらって力になった」と話す。
競技後は砂美地来館(茶花)で閉会式と懇親会が行われた。大会が行われている裏で、役場職員らが会場に島民が提供した花を飾り、懇親会で振る舞われるヤギ汁を仕込むなどして準備した。ヤギ汁を監修したヤギ料理店「食事処まるとく」の徳田店長は「与論と沖縄の違いはみそ。今回は沖縄の方々のために塩味にした」と話す。
懇親会はなごやかな雰囲気で行われ、与論島の焼酎「島有泉」が振る舞われた。沖縄北部各地の地酒も並び、各チーム共に健闘をたたえ合いながら親交を深めた。
名護市南チームの宮城昇監督は「複雑な気持ち。与論島は今まで我々のチームが優勝してきた縁起のいい島。優勝したかったが、与論町チームの頑張りを心から祝福したい」と話す。親睦会については、「船で2時間の距離だが、県境を越えての交流は地域活性になる。そういう意味でも与論町の優勝は良かった」とも。