鹿児島大学法文学部小栗ゼミ2年の学生7人が3月19日、与論町役場で「学び×つながり=ミライへ」をテーマに島民らを交えて座談会を行った。
昨年9月に同ゼミが行った与論島での調査報告や提言による地域への還元、提言の実現可能についての意見交換が目的。学生らは調査で「高校生・大人」「産業と観光」「教育行政・民間活動」の班に分かれて聴き取った内容を分析し、それぞれ課題と提言を行った。
後半は、学生と島民数人ずつのグループに分かれ、「産業の課題と学生のニーズの課題を結びつけて解決するには、どうすれば良いか」をテーマに意見交換を行った。この座談会はワールドカフェ方式で行い、席替えを行って各グループの議論をさらに他の参加者に共有した。
座談会では与論の海洋教育について与論の高校生の「海洋教育について自分たちが考えたことが実現されている感覚がない」というニーズ、地域の交流の場が減っている現状の課題、産業の後継者不足の問題などの話題で活発に議論を行った。
同大2年の古賀功誠さんは「私たちの提言がこれで良かったのかという不安があったが、その提言に対して自分たちが考えなかった新しい視点で指摘を頂き、学びが深かった」と振り返る。
与論町の田中國重元教育長は「地域の実情を調査して真剣に取り組んでまとめたものを、島の私たちと一緒に考えてくれたことは、近い将来この与論を変えるきっかけになると実感した」と話す。
ゼミを主宰する同大の小栗有子准教授は「ゼミ生が準備したものに対して地元の方々が真剣に議論できる場を作れたことがうれしかった。与論の方々は島の子どもたちのことを真剣に考えていて、出てきた提言を明日にも実現できるような方向性が一致していると感じた」と話す。