旧友を訪ねて来日し徳之島を訪れたウエディングフォトグラファー、マルティン・ダベックさんが3月20日、今月29日に挙式予定の上村良太さん、智子さんのウエディング写真を前撮りした。
和やかな空気の中で撮影が進んだ「味処古都宴」でのウエディング撮影
2人が撮影場所に選んだのは、2人が付き合い始めた頃から通い詰めた、徳之島町亀津にある居酒屋「味処古都宴(ことえん)」。初来日のマルティンさんにとっては全てが初めての体験の中、日本らしい昔ながらの空気の中での撮影を楽しんだ。
マルティンさんはポーランド出身。2000年にイギリスへ渡り、ルドルフ・スタイナーの哲学にのっとって障がい者と共に暮らし、キャンプヒルトラストの農園で働いた。その後もイギリスにとどまり、イギリスの障がいのある子どもたちの学校で働き続け、現在はウエディングフォトグラファーとして国際的に活躍している。今回はキャンプヒルトラストで共に働いた友人に会うために初来日。2人はイタリアのトスカーナで、共通の友人の結婚式で再会して以来、15年ぶりの再会となった。
マルティンさんは多くの島人から歓迎を受け、島唄を聴いたり、島の子どもたちと行動を共にしたりした。その中で、せっかく来日するのでウエディングフォトグラファーとしての仕事を徳之島でできないかと友人へ打診。来日まで2週間しかない中、SNSの呼びかけに、マルティンさんが徳之島に滞在する次の週末に式を挙げる2人とつながり、今回の撮影が実現した。
当日は春の嵐が吹き荒れ、大雨をもたらした前線がやや弱まった春の貴重な晴れ間で、風は依然強かったが前日までの嵐がうそのような快晴となった。2人が選んだ「味処古都宴」は徳之島母間の伊藤さん夫婦が営む老舗で、その場所を指定されたマルティンさんは当初、驚きを隠せなかった。
2人にとってこの場所は、付き合い始めの頃から通い詰めている「居心地の良すぎる」場所で、2人の中では「保健室」「パワースポット」と表現するほど大好きな場所だという理由で真っ先に撮影場所に選んだ。
「嵐の合間に天候にも恵まれて、私たちのウエディングフォトを大好きな場所で撮っていただき、本当に感謝。すてきな縁がつながったこと、マルティンさんに日本の伝統的和装を見せることができたことも、縁に感謝している」と智子さんは話す。
マルティンさんは「15年ぶりに日本の友人に会う中で、彼女の徳之島での暮らしやオープンな島の人たちとのつながりが垣間見ることができ、夢のようなひとときだった。日本の伝統的な居酒屋で写真が撮れたのも、自分のフォトグラファーとして貴重な経験。また必ず、この島に帰ってきたい」と笑顔で話す。