「タイの方々と学ぶ沖永良部島の文化を知るヘリテージキャンプ」が1月27日・28日、和泊町と知名町で行われた。島の若者が島の文化を学び誇りを持つことを目的に、同島でビーチクリーンなどを行うボランティア団体「あしまなの木」が主催。中学3年~高校3年の13人とタイの学生や研究者らが参加した。
ツアーでは、専門家が島の自然や文化を感じられるスポットを解説。方言で「暗川(くらごう)」と呼ばれる生活用水の水源として使われた洞窟やドリーネ(石灰岩の土地に見られるすり鉢状のくぼ地)を案内したほか、同島の伝統工芸品である芭蕉布を使ったミサンガ作りなどを体験した。
28日の発表会で、和泊中学校3年の松瀬真甫さんは「楽しみながら体験することで、えらぶの魅力をもっと知りたいと思うことができる。島のことを知っていれば、大学で島を出ても発信ができる」と振り返る。そのほか参加者からは「まず自分が知って体験して、周りの友達に説明できるようになりたい」「いろいろな国の人たちが共存できる島になってほしい」などの声が聞かれた。
ツアーに同行した国立国語研究所特任助教の横山晶子さんは「地理、言葉、ファッションなど、関心を持つところがそれぞれ違った。文化継承は一人一人が取り組まないと全体が残らない。核になる経験ができたのでは」と話す。
あしまなの木の担当者は「子どもたちが自ら興味を持って、最後に『沖永良部島を世界に発信したい』と島の価値を発見してくれたことがうれしい。来年も開催したい」とコメントする。同ツアーは「国際共同研究加速基金」による「タイ少数民族における持続可能なコミュニティ協働型言語・文化ナレッジベースの構築」の助成を受けて実施した。