外国人住民向けにバスの乗り方を学ぶ講習会が1月14日、沖永良部島の和泊町役場の「ゆいホール」で開催され、農業に従事するインドネシア人5人とサポート役の日本人6人の計11人が参加した。
講習会は、1月に完成した外国人住民向け生活情報冊子「やさしい島生活ガイド」の配布に合わせて開いた。日本人は島の活性化を目的に島出身の20代住民らを中心に構成された団体「シマスキ」の関係者らが参加した。
同事業は、自治体国際化協会(CLAIR)が実施する「多文化共生のまちづくり促進事業」を知名町が活用し、オトナキ(和泊町国頭)が受託して実施。「やさしい島生活ガイド」は、同島の外国人住民に向け、生活知識習得を目的に同島の情報をまとめた冊子。1月12日から知名町と和泊町のホームページで公開しているほか、役場やスーパーなど島内の施設で1~2月に無料で配布している。
同イベントは参加した外国人と日本人が2人組になり、和やかな雰囲気の中で進められた。バスの乗り方について講習を受けた後、バスを使ってエラブココ(屋者)へ移動し、海洋ごみについての講習を受け、プラスチックごみを再成形したキーホルダー作りを通して参加者同士で交流を深めた。インドネシア出身のフィクリ・フトゥ・ユハディさんは「勉強になった。これからは一人でもバスに乗れそう」と振り返る。窪田貴史さんは「皆さんのお陰で島の農業が支えられていると分かった。本当に困っていることは何なのか興味を持つきっかけになった」と話す。
オトナキ代表の水嶋健さんは「やさしい島生活ガイドは外国人住民の方が、生活で困ったときに役立ててほしいと思い制作した。日本人にも手に取ってもらい、日本人も外国人も困り事は共通していると知ってもらうことで、助け合いの輪が自然と広がっていくことを期待したい」と意気込む。