与論町の住宅不足解消に向けた「住宅に関するセミナー&相談会」が1月13日・14日、砂美地来館(与論町茶花)などで行われ、専門家による講演にはオンラインを含めて53人が参加した。
同相談会は「住まいの問題を解決する家守り(やもり)プロジェクト」として、鹿児島県大島支庁総務企画部総務企画課が主催したもの。与論町が協力し、鹿児島県住宅・建築総合センターが業務受託した。
同課の犬童係長は「2022年度に与論島で行った調査では、住宅問題を解決するために空き家を活用するには、相続登記ができていない問題や神棚の問題などがあった。新築にも農地の転用など、活用できる土地を増やすことが必要で、町民への啓発活動が重要だという課題が出た。今回は皆さんに知ってもらうための活動として、セミナーと相談会を開いた」と話す。
さらに、「全国的に空き家問題は過疎が進む土地で課題となっている。奄美群島では地域の魅力で来たい人がいるのに、空き家があっても住めないということがある。住めるようになればプラスになるのに非常にもったいない。そういう意味では他の地域に比べて前向きな取り組み。地域を維持継続するために今後もこうしたセミナーや勉強会ができれば」と話す。
セミナーでは、弁護士の村山大輔さんが「空き家所有のリスク・相続登記の義務化について」、与論町出身・在住で宅地建物取引士の川内恵司さんが「空き家を使い続けるための墓じまいや神棚じまい、家財処分などについて」、遺品整理士・建築士の有馬法久さんが「空き家を生み出さないための終活のすすめ」などのテーマで、それぞれ講演した。
相談会では弁護士、司法書士、土地家屋調査士、宅地建物取引士、建築士、遺品整理士、神主、農業委員会、与論住まいるプロジェクト(空き家サブリース)が相談ブースを設け、よろんリフォーム(工事店)と与論町立図書館が展示を行った。14日は与論町役場でも相談を受け付けた。
同プロジェクトは2月にも、住宅に関するワークショップを開催する予定。