新たな事業を創り出す人材を育成することを目標とした「島とあなたの未来を創る実践型講座」の第3期が10月9日、与論島で開講した。主催はイノベーんちゅ創出実行委員会。
意欲的に課題に取り組む受講生。互いのアイデアにフィードバックし合う
昨年度までは全10回の全てを集合研修の形で実施してきたが、本年度は鹿児島大学との共同研究として、遠隔授業を中心に実施可能なプログラムを開発。受講生の学習効率向上と同時に、参加者の裾野を広げる取り組みも行う。
今期は仕事や世代も異なる9人の島民が参加。講義と課題に取り組みながら、それぞれの事業プランをまとめ、来年2月に開催予定の事業プランコンテスト「イノべーんちゅAWARD(アワード)」出場を目指す。
開講式で鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンターの藤枝繁センター長は「大学も地域の課題を解決することを目指して研究している。しかし、地域に大学で研究した技術を受け止めて頂ける人材や企業が少ないので、鹿児島大学として人材育成への支援をしたい。大学の研究成果を島の方々と一緒に使い、新しい島の未来を作っていければ」と語った。
初回はイノベーションとデザイン思考について講義を行った。講師は15分以上話し続けてはいけないというルールがあり、一つの課題に一緒に取り組みながら学んでいくスタイル。受講生らは限られた時間の中で常にコミュニケーションと思考を続けなければならないが、戸惑いながらも意欲的に取り組んだ。
同事業の企画者で、実行委員の田畑香織さんは「10年で100人の『イノベーんちゅ』を生み出せれば、与論のいろいろな問題が解決されて住みやすい明るい島になるのでないかと思い、この事業を始めた。3期目は事務局としてこの体制を持続可能にするために、効率を上げ、もっと実施しやすい仕組みづくりが今回のチャレンジになる」と話す。
受講生の一人は「知り合い以外の人と話したり、交流できる良い機会。自分のプランの実現以外にも、いろいろな面での成長したい」と意気込みを見せる。