食・農・教育の観点から持続可能な島づくりを考える「与論未来フェス―ま~じんつくらんDAY」(E―Yoron、Earth’sChildren鹿児島共催)が8月19日・20日の2日間、与論町中央公民館(茶花)で開催された。
19日は環境や食品、農業、教育など各分野の専門家11人による講演、実践発表が行われた。島内外から約200人が集まり、先進事例や目指すべき社会について学びを深めた。
宮古島からの参加者は「オーガニックの食品で子どもの健康が改善されていく事例を聞き、ミネラルの大事さが分かった。保育園を経営しているが、職場でできることがないか考えたい」と話す。
「『島を育てる学力』の育成を目指して」と題して、与論高校での取り組みを発表した同校の甲斐修校長は講演会を終えて、「食を考えることは農業を考えることでもあり、そのことに視点を持つには教育も大事。学校の側面でしか見ていなかったが、つながりを実感することができた。教育に携わる私たちには、もっとやることがあると改めて思った」と振り返る。
翌20日の分科会では、各講師によるより詳しい講演や野外で家庭菜園の実践会が行われた。夜は琴平神社(立長)の境内に会場を移し、かなえたい願いの成就を先に祝う「予祝祭」と称した懇親会を行い、オーガニック食材を用いた料理のビュッフェと島民による余興で参加者同士の交流を深めた。
講演と予祝祭のあいさつを務めた、知名町在住で東北大学名誉教授の石田秀輝さんは「自然に生かされていることを知り、自然を生かすことが大事。兄弟島である与論島でこのような活動が盛り上がり、未来の子どもたちに渡すべきバトンがおぼろげながら見え始めたことがとてもうれしい」と振り返った。
共催2団体の池田理恵代表は「多くの人に来ていただけて大成功。7割が島の人なのもうれしい。持続可能とは、未来に向けて生まれ変わり続けるというあり方。一人一人が取り組みたくなる仕組みを作り、みんなで持続可能な島づくりをしたい」と意気込む。