与論島・砂美地来館(与論町茶花)で1月31日、「海洋教育」の成果発表会「ヨロン海洋教育フェア」が開かれた。主催は与論町海洋教育推進協議会、与論町教育委員会。
海洋教育は与論町内の小・中・高校の児童・生徒が、島の海や歴史文化・課題について主体的に学習し、それを地域住民と行政が一体となってサポートする取り組み。
保護者や地域サポーターら約140人が見守る中、児童・生徒らは数人のグループや個人でそれぞれ10分ほど、発表した。
この取り組みの視察に、沖縄県職員や沖縄、奄美群島の地域おこし協力隊メンバーら12人が訪れ、事務局や地域サポーターらと意見交換なども行われた。
小学生はグループ学習の成果として、サンゴについて調べたことを発表。身近な環境問題について聞き取り調査や実験を行い、解決案を提案した。
中学生は選ぶテーマがより広がり、「与論のエイサーの輪を広げるために」「与論の星空を守るために」「人口減少って本当に問題?」などを発表した。
与論高校1年のグループの「海謝美プロジェクト」は、島外からも評価されているボランティアグループ「海謝美」の海洋ごみ拾い活動について、「興味関心は高いが参加できない」与論高生の実情を調査。その対策などを発表した。同高2年のグループは「東京大学サイエンスキャンプ報告」を行い、同2年の「与論島の防災」では短期避難のための高齢者向け携行グッズを提案した。
視察団からは「小学生は身近なネタを、実験して検証している点が良かった」「海謝美、防災など、地域と連携した結果が現れていた」「全体的にまとまっていて、非常に良かった」「枠組みを超えた仕組みを地域に実装できたことが素晴らしく、他の地域より一歩進んでいる」などの感想が聞かれた。
同協議会事務局の磯村愛子さんは「第3回を無事に開催できて良かった。年々、児童・生徒たちの活動範囲や取り組む課題の種類が増えて、大人が聞いても勉強になる。実践に移っている児童・生徒がいるのも良いと感じた。今後も後輩が楽しく取り組んでくれたら」と期待を込める。