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世界自然遺産の島 徳之島で夜の生き物に出合うナイトハイク

ガイドの案内で、樹上に休むアマミアオガエルを見上げる参加者たち

ガイドの案内で、樹上に休むアマミアオガエルを見上げる参加者たち

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 徳之島で1月13日~15日、伊仙町役場きゅらまち観光課主催による「アマミノクロウサギの里~ナイトハイク~」が行われた。3日間、6班に分かれての延べ参加者数は50人。ほとんどの親子連れにとって生まれて初めて見る野生生物との出合いの機会となった。

夜道の生き物との遭遇に興奮気味の参加者

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 2022年7月に世界自然遺産登録となった徳之島におけるアマミノクロウサギ個体数は、最新の調査結果により1525匹~4735匹と推計され、2003年発表時から大幅に増えた。それに伴いロードキルが年間39件と急増している。伊仙町は、アマミノクロウサギをはじめとする自然生物に対する理解を深め、その価値や魅力、自然環境の保全に対する意識醸成を図るため、奄美群島振興交付金による「世界自然遺産保全事業」の一環として今回のナイトハイクを企画した。

 伊仙町在住の親子連れを中心とした参加者は、ハブ出没の可能性や集落内を静かに歩くことや、個々にアマミノクロウサギを探して電灯を照射しないことなど事前に注意を受け、天城町当部集落の茶処「あがりまた」からアマミノクロウサギ観察小屋までの往復2キロのナイトハイクを楽しんだ。最終日は小雨が奏功し、大型のアマミハナサキガエルやアマミイボイモリなどの両生類が多く見られ、アマミノクロウサギと共に人家のすぐそばに暮らす夜行性の生き物の生態を垣間見ることができた。

 犬田布小学校5年の富一華さんは「初めてみた生き物がたくさんいたので驚いた。クロウサギは敵から子どもを守るために穴を掘ってしっかり子育てをしていて、子どものことを考えているのだと思った。他にもイボイモリという珍しい生き物を見られて良い経験ができた。参加してとても楽しかった」と振り返る。

 2日間のガイドを務めた認定エコツアーガイドの政武文さんは「世界自然遺産登録後、コロナ禍の影響で客足は増えていなかったが、最近緩和され地域経済効果は高まっていると感じる。環境保全と活用のバランスを取りながらエコツアーの理念を登録された4島で共有しつつ、それぞれの島の固有性を打ち出していきたい。まずは島民の方々に自分の島の魅力や価値を知ってほしい。案内だけではなく、島への誇りや感動へつなげるのがガイドの役割」と話す。

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