ゆんぬ体験館(与論町)で11月29日、年齢や障がいの有無を問わず全ての人々が安心して楽しめる旅行を目指すユニバーサルツーリズムの研修会が行われた。
車いすを使う時の注意や、少ない力で介護、看護をするためのコツを指導
研修会は、鹿児島県大島支庁から受託したNPO法人「eワーカーズ鹿児島」が企画した。講師はNPO法人「バリアフリーネットワーク会議」代表で沖縄県障がい者スポーツ協会副理事長の親川修さん。「おもてなし研修会」と題し離島における海のアクティビティーについて講演を行ったほか、車いすを用いた介助体験会を開いた。
講演では、「青い海、青い空は健常者だけのものなのか」と、誰にでも平等に優しい観光のあり方を説きながら、日本の旅行市場におけるユニバーサルツーリズムの可能性にも言及。海のアクティビティーについても沖縄県での実例を交え、島のマリン事業者と介護事業者のノウハウを合わせれば実現可能であることを示した。
親川さんは「運営している障がい者施設の子どもたちが普通に楽しく生きられる社会にしたい。地域でユニバーサルツーリズムを進めるには、地元にどんな資源があるかしっかり調べて磨くことが必要。地元には人材が必ず居る。ボランティアではなく、適切なサービスをして適切な料金を取ることが、相手を弱者とは見ないで対等に接するということ。難しく考えないことが大事」と話した。
参加者からは「目からうろこで、多くの気付きがあった」「すぐできることをやれるかは意識の問題。しっかりやっていかなければ」「介護、看護の技術を持つが働いていない潜在的な人材も居る。せっかくなのでそういう方々が観光や地域の人々につながってほしい」などの感想が聞かれた。