漂着物学会主催の「第21回漂着物学会徳之島大会」が11月19日・20日、徳之島の海岸全域で開催され、会員と地元参加者合わせて85人が参加した。
「ほーらい館」(伊仙町)で行われた基調講演で、奄美群島文化財保護対策連絡協議会の四本延宏会長が「琉球列島全域に流通した焼き物カムィヤキについて」をテーマに講演を行った。その後、各地からの研究、活動に関する口頭発表、ポスターセッション、お宝鑑定会と続き、漂着物を使ったグッズ販売も行われた。
同学会は、世界有数の長さの海岸線を誇る日本で、海流、季節風の影響を受けて異国や海底から寄せられる漂着物に興味を持ち、それぞれのフィールドでさまざまなテーマを持って活動する人々の緩やかなネットワークから生まれた。
道田豊会長(東京大学大気海洋研究所附属国際・地域連携研究センター教授)は「地元実行委員会はじめ徳之島三町の多くの皆さまに支えられ、3年ぶりの対面学会大会を行うことができた。2日目のビーチコーミングも好天に恵まれ、島の豊かな自然も楽しみながら参加者一様に笑顔で楽しんだ」
子どもが海で拾ってきた重く大きな石頭を鑑定会に出品した中佐奈枝さんは「海に漂着するものを知ることで生物、地質、歴史、気象学まで掘り下げて知ることができた。鑑定会が盛り上がって、これから海へ行く楽しみが増えた」とほほ笑む。
今後について、道田会長は「漂着物をキーワードに幅広い分野をカバーする、子どもから大人まで市民と共に歩む団体として活動を続ける」と話す。
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