徳之島・天城町防災センター(天城町天城)で11月13日、「プラスチックの海」が上映され、住民ら128人が観賞した。
奄美広域事務組合による「世界自然遺産基金」を財源とした「子ども環境学習助成事業」を活用した事業で、主催は「森と海の芸術楽校」と天城町教育委員会社会教育課。徳之島の環境保全や子どもたちの環境学習の一環として実施した。
年間800万トンものプラスチックが世界の海に捨てられ、永久に分解されないまま海面や海中を漂うマイクロプラスチックとなり、食物連鎖に組み込まれる海洋プラスチック問題には、多くの科学者や識者が警鐘を鳴らしている。
作品の中で、クレイグ・リーソン監督は「知ることが、問題に関わることにつながる。問題を提起することによって対話が始まり、変化が引き起こされることを望んでいる」と述べている。主催者は、その思いを引き継ぎ、「一人でも多くの方にこの映画を見て事実を知ってもらい、徳之島でこの問題について考えるきっかけになれば」と思いを込める。
友人と足を運んだ大倉あゆみさんは「環境問題は遠い世界の話ではなく、すぐ身近にあることを実感した。いつか、どこかの、誰かがやってくれることではなく、今、ここから、私にできることを習慣づけたいと思った」と話す。
今後、海ごみアートプロジェクトを開催し、フィールドワークや映画で社会問題を知り、海のごみにまつわるアート表現に関わることで、島全体で楽しみながら学ぶ機会を創出していくという。
「森と海の芸術楽校」はアート、環境保全、福祉の3本柱を軸として活動しており、今回の映画上映会に先立ち、当部集落でアマミノクロウサギ観察会を開いた。