国立研究所である総合地球環境学研究所(京都市北区)LINKAGEプロジェクトが9月25日、与論島の黒花海岸でサンゴの掘削調査イベントを開いた。
同プロジェクトはサンゴ礁の島の陸と海を一体として考え、どのように持続可能な形で有効利用していくかを分野横断的に研究する。
特殊な機械を利用して柱状に掘削したサンゴを分析することで、過去の水質データを読み取ることができるという。島内数カ所で採取したサンプルのデータを解析し、陸上の人間生活がどのようにサンゴに影響をもたらしているかを研究する。
今回は、調査の一部をNPO法人「海の再生ネットワークよろん」、NPO法人「ヨロンSC」協力の下、島内の小学生向けイベントとして企画した。当日は見慣れない機械でサンゴに穴を開け始めると、集まった子どもたちから歓声が上がった。
プロジェクトリーダーの新城竜一総合地球環境学研究所教授は「与論島は陸と海の関係を調査するのにちょうど良い大きさ。調査した場所の多くは島の人に教えてもらい助かった。与論町が力を入れている海洋教育は、LINKAGEプロジェクトと接点があるので、来年度以降は関わっていければ」と話す。
今後も定期的に、分析結果の報告や、与論島の地質、地下水、砂浜の調査、観察会を実施するという。
2022年10月1日 記事タイトル及び一部表現に誤りがありました。お詫びして修正します。