沖永良部島の田皆駐在所(知名町田皆)の警察官夫婦が毎月、掲示板で自作の4コマ漫画を発表している。題材は防犯や交通安全などで、同集落に住む田中さんは「4コマ漫画で分かりやすい。毎月とても楽しみにしている」と話す。作画する夫婦は「防犯につながり嫌な思いをする人が減れば」と意気込む。
昨年4月に始め、「安全な横断歩道の渡り方」「引っ越し時の住所変更」などを題材に発表してきた。6月1日に発表した13作目は「あいさつで泥棒を撃退しよう」という内容。構成は夫が担当し、絵は妻が描く。きっかけは駐在生活当初、コロナ禍のため近所にあいさつできない代わりに、自作の家族の似顔絵を掲示板に貼り出したこと。夫は「妻が描いた似顔絵が上手だった。漫画で表現すれば子どもたちの目に留まるかもしれないと思った」と振り返る。
新作を発表すると、近所の住人が写真を撮ってインスタグラムに投稿するため、島民から声を掛けられることも多いという。昨年12月には鹿児島県警の広報誌で紹介された。「同じ警察官やその家族の友人から久しぶりに連絡をもらい、うれしかった」と妻はほほ笑む。
沖永良部警察署の茗ケ迫(みょうがさこ)典昭次長は「交通ルールを守りましょうと言うだけでは具体的ではないが、4コマ漫画にすることでストーリー性が出て、分かりやすく頭に入りやすい。ぜひ続けてほしい」と期待を込める。