沖縄祖国復帰50周年を記念したイベントが4月28日、かつて北緯27度線の国境で分断されていた鹿児島県与論町と沖縄県国頭村の共同で開催された。当日は、沖縄返還を求めて行われていた海上集会やかがり火も再現され、与論島では琉球王朝時代から続く交流の象徴となる与論城跡までの記念行進に国頭村からの交流団含む約100人が参加。与論町の歴史、文化、自然環境などのパネルや民具を展示するサザンクロスセンター(与論町立長3313)では、記念写真展も開いた。
与論島と国頭村は、沖縄の祖国復帰後も交流を続けており、役場や議会、民間団体、祭りなどのイベント交流が行われてきた。2020年からは、さらに両町村の交流・連携を促進するため、役場職員が人事交流する取り組みが行われている。
人事交流で2年間国頭村へ赴任した後、記念イベントを担当した与論町商工観光課の加藤翔さんは「記念事業に関わり、国頭村と与論町との絆を明確に認識することができた。自分が学んだことや感じたことをこれからの時代を担っていく方々へ伝え、両町村の絆がいつまでも続くよう尽力したい」と意欲を見せる。
与論町役場に赴任していた、国頭村企画政策課の渡慶次(とけし)勇樹さんは「与論島側と国頭村辺戸岬側のかがり火が互いに見えたと聞いた時は、言葉にできないくらい感動した。児童ふれあい交流団に参加した国頭村の児童たちも大いに満足していた。今後も両町村の交流が発展できるように自分ができることを頑張っていきたい」と話す。