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自然界でもシェアハウス 徳之島で希少種が同じ巣穴を有効活用

2022年1月21日に撮影された つがいのアマミノクロウサギ

2022年1月21日に撮影された つがいのアマミノクロウサギ

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 徳之島町山(さん)地区で農業を営む林美樹さんのニライカナイ農園で、絶滅危惧種に指定されているアマミノクロウサギと、徳之島に生息しているネズミ(種は不明)が同じ巣穴を共有している可能性のある写真が撮影された。

2022年2月20日に撮影された つがいのネズミ(左下)巣穴から顔を出している(中央下)

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 環境省徳之島管理事務所(天城町役場)の福井俊介管理官は「アマミノクロウサギが生活する巣穴に、別の動物が出入りすることは非常に珍しい。生態系がまだまだ解明されていない種なので、今後の研究で明らかになってくるのでは」と見解を述べる。

 林さんは「6、7年前から多くの巣穴を確認していた。農園のテーマである自然と人が共存共栄できる農業をしているので、自然界では既に共存共栄が行われているとしたら、とてもうれしい発見」と熱く語る。

 長年アマミノクロウサギを研究している奄美野生生物保護センターの鈴木真理子さんは「左の個体はトクノシマトゲネズミと思われる。巣穴を利用しているのは今まで見たことがない。もし、これがトゲネズミだとすると、たまたま入った可能性が高いと思うが、継続して観察してみると面白い」と今後の研究に興味を示す。

 徳之島に生息する希少種のネズミは、トクノシマトゲネズミやトクノシマケナガネズミなどが国の天然記念物で絶滅危惧種に指定されている。同種は大きな木の根元にできた洞(うろ)などで生活・繁殖しているといわれている。

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