与論町役場1階ロビーで2月24日、「島の自然と暮らしのゆんぬ古写真展 vol.1 ~運ぶ~」が始まった。
写真は昭和30年代から現在に至る島の暮らしの変遷を伝える写真を展示する同展。写真の他に、昭和30年代頃の聞き取りをまとめたブックレットも無料配布。バーコードをスマートフォンで読み取ることで、人工知能(AI)によりカラー化した古写真も閲覧できる。
総合地球環境学研究所LINKAGEプロジェクトが主催する同展。2021年6月より、市民参加型の協働研究として、自然と共に生きてきた知恵や暮らしの移り変わりに関する歴史文化資料の収集と記録に取り組んでいる。その一環で2月1日より、写真展を予定していたがコロナ禍で延期となり、今回はその写真の一部に「~運ぶ~」というタイトルを付け縮小開催することになった。
同展について、プロジェクトメンバーで国立歴史民俗博物館研究部准教授の後藤真さんは「タイトルには、人を運ぶ、ものを運ぶ、記憶を未来に運ぶ、という意味が込められている。写真や資料の収集だけではなく、その過程で出てくる人々の記憶もとどめたいと思っているので、そのきっかけとしてこの写真展を開いた」と話す。
同じくプロジェクトメンバーで琉球大学准教授の高橋そよさんは「島の若い人が協力して写真を集めてくれたことが大事。集めたものを活用できる仕組みを作りたい。次回は規模を大きくして、写真を見ながら皆さんの話を伺い、共有する機会を作りたい」と期待を込める。
観覧無料。3月10日まで。