徳之島の小中高校生が主体となって演じる島口ミュージカル「結-MUSUBI-」の卒業記念公演が3月7日・8日の2日間、天城町防災センター(天城町天城)で行われた。
藩政時代から続く徳之島の伝統文化「闘牛」の様子を演じるシーン(写真提供=結シアター手舞)
同ミュージカルは、2015(平成27)年の「第30回国民文化祭・かごしま2015」を機に誕生。10年を経て進化を続け、島の言葉「島口」や歴史・文化を次世代へつなぐ原動力となっている。
物語は、明治維新の立役者である西郷隆盛が徳之島に滞在していた際のエピソードを題材に、島民との交流や島に生きる人々の思いを描く。島口や島唄、伝統芸能が取り入れられ、徳之島ならではの文化を生かしたオリジナル作品として上演している。団体発足当初は、ノウハウを学ぶため沖縄県うるま市の中高生が出演する現代版組踊「肝高の阿麻和利」の主催団体に協力を仰ぎ、舞台音楽の演奏も含め、子どもたち自身が中心となり一から舞台を作り上げてきた。
現在は小学生から高校生まで約40人が所属。稽古では中高生リーダーと卒業OB・OGが主体となって演技や演奏、島口が伝えられ、舞台を通して協力することの大切さ、挑戦する勇気を学び、子どもたちの成長につながっている。鹿児島県南大隅町の子ども団体「南蛮FLAG」との交流も続き、姉妹団体として舞台公演への友情出演や交流を重ね、互いの舞台から刺激を受けている。
今回の公演では主役級が大幅に代替わりし、初めて西郷隆盛役を演じた中学2年生の峰岡朋輝(ほうらい)さんは「4歳の頃から欠かさず見てきたこの舞台で、見る側から舞台に立つ側となり、お客さまの反応を肌で感じながら演じる楽しさを実感している。難しさ以上に大きな達成感と充実感でいっぱい」と笑顔を見せた。
地元指導者は完全ボランティアで運営しており、今後の後継者育成や、沖縄からの機材・専門スタッフ委託に伴う財源確保などの課題も抱えながら、新たな文化継承の場となっている。