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与論島で「ゆんぬ古写真展」 観光の歩みたどる、歴博でデジタルアーカイブも

事務局の高橋そよさん、南勇輔さん

事務局の高橋そよさん、南勇輔さん

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 「島の自然と暮らしのゆんぬ古写真展vol.5~めぐる~」が2月5日、与論島の砂美地来館(与論町茶花)で始まった。主催は「島の自然と暮らしを考えるゆんぬ古写真調査事務局」。

芳賀コレクションの意義を語る南さん

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 5回目となる今回のテーマは「めぐる」。設立60周年を迎えたヨロン島観光協会の協力を得て、人とモノが交流する場としての「観光」の変遷にスポットを当てる。会場では観光ブーム当時の熱気や、海と陸の観光史、暮らしの記憶を今に伝える与論民俗村の歩みなどをパネルで紹している。

 同事務局で町教育委員会学芸員の南勇輔さんは「『めぐる』のタイトルには、戦後すぐに調査で島を巡ってきた人がいて、その後の観光ブームから島の産業となり、現在へつながっているという時間の流れを込めた」と話す。

 展示の目玉の一つが、1950年代に九学会連合の学術調査に同行した写真家・故芳賀日出男さんによる作品群。同調査は、学際的研究の先駆けとして日本学術史に刻まれている。南さんは「一連の写真として残っているため撮影者の動線が分かり、場所の特定がしやすい。今は削られてしまった与論城の石垣なども確認でき、資料的価値が高い」と意義を強調する。

 1970年代からサンゴ礁研究を続ける地理学者の中井達郎さんから提供された写真も展示。当時の遊覧飛行から撮影された低空の俯瞰(ふかん)写真は、集落の屋敷構えを詳細に記録している。

 2020年に町教育委員会、琉球大学、国立歴史民俗博物館の3者で保全に関する覚書を締結して5年。町民や、研究機関、奄美群島内の自治体などから寄せられた写真は1万点に達した。このうち精査と許諾が済んだ約6000点は近日中に同館のデジタルアーカイブとして一般公開を予定する。

 同事務局で琉球大学人文社会学部の高橋そよ准教授は「多くの方の共感を得て1万点に達した。与論では既に、包括支援センターなどを通じて地域の方が写真を活用するフェーズに入っている。この与論でのモデルを、他の地域にも派生させていきたい」と展望を語る。

 開館時間は9時~21時45分。観覧無料。今月23日まで。

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