鹿児島県主催の「かごしま移住の一歩を踏み出す! 徳之島暮らし移住体験ツアー」が1月17日から2泊3日で行われた。県外在住の移住検討者が天城町・伊仙町・徳之島町を巡り、自然環境、住まい探しや仕事、地域との関わり方など「暮らし目線」で徳之島を体験した。
ツアーには、県の移住促進施策の一環で、家族連れを含む7組9人が参加。初日は天城町役場でオリエンテーション後、与名間ビーチ散策や徳之島世界自然遺産センター見学などを通じ、島の自然を体感。金見集落のまち歩きでは、空き家見学をした後、集落の人たちが手作りしたリュウキュウイノシシ丼が振る舞われた。ランチ中には海の向こうでクジラが見えるなど、徳之島暮らしのワンシーンを味わった。
2日目は伊仙町を中心に、闘牛文化に触れる機会や樹齢300年ガジュマル散策、コーヒー農園での体験などを行い、観光だけでは把握しにくい日々の営みと地域資源の活用を見て回った。夜の懇親会では地元の青年団とも交流し、伊仙町指定無形民俗文化の棒踊りを体験。最後は島唄のワイド節や六調などで輪になり踊った。3日目は天城町農業センターを訪ね、地域産業の現場に触れた。
ツアーコーディネーターの大保健司さんは「来てみないと暮らしぶりは伝わりにくいので、現地に来てもらう支援制度があるのは非常にありがたい」と話す。ツアー内容については「単なる観光で終わらないように意識した。闘牛は観戦するだけでなく、そこに根付く島の文化や生活とのつながりを紹介したり、300年ガジュマルでは記念写真を撮るだけでなく集落散策をしたり。参加者の移住したい理由は教育や食、セカンドライフなど多様な理由があるため、暮らしのさまざまなシーンが浮かぶよう工夫した」とも。
受け入れ団体の一つ、徳之島コーヒー生産者会・総務部長の時任かおりさんは「徳之島コーヒーは栽培だけでなく、グリーンツーリズムなど6次化を目指す産業。生産者の視点でその魅力を直接伝えられたのは良い経験だった。改めてコーヒー産業への関心の高さに触れて励みになった」と振り返る。
過去に複数回来島したことがある大分県在住の参加者(30代女性)は「6年ほど前におなかにいる娘と仕事で毎月来ていて、出会う風土や人に癒やされていたし、つながりも続いていた。久しぶりに来てみて島人になっている友人の活躍も見られて、改めて良い島だなと思った」と、徳之島の自然のみならず、暮らす人々の魅力を再認識した様子だった。