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与論島で「奄美環境文化実習」 島の特性を知り観光に生かす

受講生に説明する高梨修さん

受講生に説明する高梨修さん

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 与論島で1月9日~11日の3日間、奄美群島内の観光関係者を対象に「令和7年度奄美観光・交流連携プログラム、奄美環境文化実習」が行われた。同実習は鹿児島大学法文学部の小栗有子教授らが2021年度から構築してきた「奄美環境文化プログラム」を活用したもので、鹿児島県大島支庁が主催し、同大と「巡めぐる恵めぐる」が運営する。

集落歩きの様子

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 実習には群島内の観光関係者8人が参加した。奄美群島固有の自然環境と歴史の中で育まれてきた生活文化や精神性である「環境文化」を、観光の視点から学ぶのが目的。島民の心性に触れる「暗黙知」や「実践知」への理解にも重点を置いた。

 初日の9日は、与論城跡や城集落を巡検した。郷土史会の麓才良会長の案内で、歴史的背景や集落の立地環境、空間構造について見識を深めた。10日は、町教育委員会学芸員南勇輔さんの案内による朝戸・西区集落の巡検に加え、与論民俗村で伝統的な「芭蕉布」の繊維取りを体験。午後はヨロン島観光協会の町岡安博さんの案内で島北部の海岸を巡り、地形的特徴と住民の利用実態、民俗、歴史との関わりを把握した。

 同日夕方には、元与論町職員で現在は畜産農家、無人野菜販売所「野っ葉(やっさい)堂」の発起人でもある田畑豊範さんを招いた座談会が町役場で行われた。田畑さんは自身の事業や地産地消の取り組みを語り、講師や受講生を交えて地域と観光のあり方について意見を交わした。

 最終日の11日は、小栗教授と同大学客員研究員の高梨修さんによるワークショップが行われた。3日間のフィールドワークを振り返り、受講生はおのおのの住む島との共通点や相違点を共有。集落巡検で解説した祭祀(さいし)や与論城跡の歴史から、奄美群島における習俗や集落空間の残り方の違いにも注目が集まり、高梨さんの補足説明に受講生らは熱心に耳を傾けた。

 小栗教授は「受講生が講師に質問を重ねながら与論の特性を共に探究することで、相互に新しい気付きがあった。環境文化の観点から島の特性をつかむ力は着実に高まっている。今後はそれらを奄美群島全体の特徴として表現し、おのおのの現場で実践していく段階にある」と話す。

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