徳之島・伊仙町西犬田布(いぬたぶ)集落で新年の1月2日、「合同歳(とし)祝い」が開催された。
「合同歳祝い」は、集落内の61歳、73歳、85歳、88歳、97歳、そして100歳に該当する人を集落民全員で祝う伝統行事。今回は100歳の徳一造さんが飛び入りでマイクを握り、徳之島民謡「一切(ちゅっきゃい)節」を歌い上げるなど大いに盛り上がった。
西犬田布集落では毎年年明けの同日に合同歳祝いを開き、これに続いて「カマモリ」と呼ばれる該当者の家庭を集落民全員で回り、共に祝う風習がある。他の集落では歳の祝いに続く「カマモリ」の伝統は途絶えてしまっているが、西犬田布集落では100年以上引き継がれている。この日も年末年始で帰省してきた家族や地元民が120人以上参加し、過去数年で最も大人数での祝いとなった。
当日は、元区長である徳永武彦さんのあいさつや婦人会メンバーによる祝いの舞、子どもたちによる島唄・三味線の披露などで盛り上がり、最後は恒例の「ワイド節」で会場全体が輪になって踊り、西犬田布生活館での「合同歳の祝い」は幕を閉じた。この後、再び三々五々集まり、2軒の家を参加者全員で回り、改めて杯を交わして高齢者の長寿を祝った。
西犬田布集落元区長の松岡洋仁さんは「この島で育った人もその子孫も、『合同歳の祝い』やお盆の盆踊りなどの機会にみんなで集まって、互いの親睦を図ることができるのがとてもうれしい。このような場に多くの出身者が集まり、いつまでも島を忘れないように続いていってほしい」と目を細める
同集落は、5人の合計寿命が507歳209日(1人平均101歳41日)となる「長寿5姉妹」が暮らしていたことでも知られ、「現代社会が抱える孤独や孤立とは真逆の、地域みんなでつながり合う行事や日常が、心と体の健康を支えているのでは」と研究者からも注目されている。