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沖永良部島の和泊町の総合振興計画を外部委員が評価 提言やアイデアも

委員会の様子

委員会の様子

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 沖永良部島の和泊町が2020年~2030年にかけて取り組む第6次和泊町総合振興計画の第3回外部評価委員会が10月14日、同町役場1階のゆいホールで行われた。委員に選ばれた町民15人中11人が参加。計画担当者とのやり取りを通して、活発な議論を行った。委員は漁業組合など業界団体や、地元高校生、元地域おこし協力隊、NPO代表、公募で選ばれた町民などで構成する。

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 委員会の目的は、コロナ禍やDXやGXの推進など社会情勢の変化に伴った計画の見直し。この日は、地産地消や農林水産業の安定雇用創出を目指す「みへでぃろプロジェクト」、多世代交流の拠点作りを進める「ようてぃあしばープロジェクト」、ごみ削減を図る「あたらむープロジェクト」の3つの計画について話し合った。

 委員会では、ごみ処理場の耐久年数の周知や家庭ごみ処理における分別の強化、地域で開放されている公民館などの施設マップ作成、過去の補助事業の効果を検証するための追跡調査の必要、計画担当者間の共有や連携などの具体的なアイデアが提示された。

 計画はこのほか、自転車を軸に健康増進や環境負荷低減を図る「むぅるほうらしゃプロジェクト」、高齢者などが安心して暮らせる住環境と街の活性化を目指す「みじらしゃエリアプロジェクト」、郷土教育を通じUターンや関係人口増加を促す「まちゅんどプロジェクト」、安心できる楽しい子育てを支える「むぅるし、ふでぃらさープロジェクト」の4つがあり、名称に「しまむに」(同島の方言)を取り入れている。

 地元の沖永良部高校での校内募集を通じて参加した同高2年の冝喜心さんは「想像以上に意見を言える雰囲気。高校生の多くが計画のことを知らないので、少しでも周りに伝えたい。一人一人がやりたいことをやれる自由な町になってくれたら」と期待を込める。子育て支援に取り組むNPO法人「SMAPPY」代表理事の新納佳恵さんは「これまで町民の声が届いていないと感じることがあったが、さまざまな組織の思いや課題を知れて貴重な時間を過ごせた。行政と民間の視点が交わることで気付きが生まれ、温かい町づくりにどうつながるのか期待している」と話す。

 同町企画課総合振興計画担当の永野敏樹さんは「さまざまな意見を頂く中で、役場だけでは見えてこなかったものが多いと分かった。人口が減って、逆に役場の業務が増えて、できることとできないことがある中で、できないことは町民と協力してやっていけたら」と意気込む。

 委員会で出た意見は報告書にまとめ、事業改善や総合振興計画の見直しにつなげる。

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