
徳之島高校野球部が、20年ぶりの決勝進出と九州大会出場を懸けて並み居る強豪校を打ち破り、ベスト4まで上り詰めた。
10月9日には鹿児島県予選準決勝が鹿児島市平和リース球場で行われ、1点のリードを許して迎えた9回表に3点を奪い逆転に成功。徳之島から詰めかけた応援団が占拠するスタンドでは指笛や太鼓の音と共に「ワイド、ワイド!」の掛け声が鳴り響いた。
夏の大会で初戦敗退を喫した同チームは、初戦からチャレンジャー精神で臨み、初戦の9月24日から10月9日の準決勝まで、選手たちは地頭所監督、藤崎部長と共に鹿児島のホテルに連泊。滞在中は監督のつながりで他校のグラウンドを借り、毎日練習を行うことができたが、離島の高校生にとって、県大会での勝ち上がりは、そうした負担も生む。現チームを構成する1、2年生の中には高校進学時に他校からスカウトを受けた生徒も少なからずいるが、それぞれの意志で「徳之島高校から甲子園へ」を胸に、ここまで練習を重ね、戦い抜いてきた。
試合は9回に1年生の代打、井川天晴選手の同点適時打があり、その後に2点を追加してリードのまま迎えた9回裏に猛攻を受け、無念の逆転サヨナラ負けを喫した。地頭所監督は「悔しい負けだったが、それも今の実力。今回、準決勝まで勝ち進み、次の春と夏の大会では今回以上の実力を出せると確信している。徳之島高校にしかできない応援が何よりも心強かった」と振り返る。