
沖永良部島で活躍する「えらぶまもるくん」が 5月19日、母校・和泊町立城ヶ丘中学校(和泊町内城130)で職業講話を行った。地元出身の先輩として、地域で働くことの意義とやりがいを体験談も交えながら語った。
「えらぶまもるくん」の名で、島内外で活動する和泊町職員の安田拓(やすだ・たく)さんが、母校・和泊町立城ヶ丘中学校で出前講話を行った。当日は、1・3年生の生徒12人と教職員7人を前に約50分間、実体験に基づくメッセージを生徒に届けた。
今回の講話は、学校側から「えらぶまもるくんの姿で職業講話をしてほしい」と依頼があって実現したもの。講話では、自身が同校を卒業してからの進路、大学や就職での経験、そして現在の仕事について語った。現在、安田さんは和泊町教育委員会の係長として役場職員17年目。企画課の時のまちおこしの事業やふるさと納税を活用した教育活動、さらに「えらぶまもるくん」として島の魅力を発信する活動など、多岐にわたる取り組みを紹介した。
生徒から「中学生の時に夢やなりたい職業はありましたか?」と尋ねられた安田さんは「1ミリもなかった」と即答。「なぜなら、自分の地域のことしか知らなくて、外の世界を全く知らなかったから。でも、大学や就職でたくさんの人と出会って体験したことで、島を面白くしたいと思い帰ってきた」と、率直に自身の歩みを振り返った。
講話の最後には、「これからの島を担うみんなに、自分の住む町で働く選択肢があることを知ってもらえたら。『離島だからできない』という概念は今日から捨てて、沖永良部島というブランドで世界に勝負していこう」と生徒に呼びかけた。
地元出身の先輩が語るリアルな言葉に、生徒たちも真剣なまなざしで耳を傾けていた。島に根ざしながら、自らの手で面白さをつくる姿が次世代に届いた時間になった。