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徳之島・伊仙町で初の地域食堂「うんのう食堂」 こども園卒園児が主役に

久しぶりに園で食卓を囲む卒園児たち

久しぶりに園で食卓を囲む卒園児たち

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 徳之島・伊仙町の「おもなわこども園」(伊仙町面縄)で5月10日、初の地域食堂となる「うんのう食堂」が開催され、地域住民らでにぎわった。「うんのう」とは、同園がある集落「面縄(おもなわ)」という島の方言。

一つひとつの食材にもこだわっている

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 今回中心となって運営を担ったのは、かつてこの園を巣立った卒園児たち。コロナ禍に開園したという背景もあり、今回の開催には地域との接点を深めるとともに、卒園児に活躍の場をつくりたいという主催者・松澤絵理奈園長の思いを込める。島内在住の卒園児29人のうち16人がスタッフとして参加。スタッフと書かれた腕章を着け、来園者への案内や配膳などに主体的に関わり、保育士たちはサポート役に徹した。

 この日のメニューには、在園児たちが園生活の中で仕込んだみそや、塩作り体験で作った塩、保護者から購入した島豚の肉など、徳之島の豊かな食材がふんだんに使われた。近くの介護施設から参加した高齢者からは「みそ汁がおいしい」との声が多く聞かれた。2歳の子どもと一緒に参加した男性は「こども園という環境なので未就学児の子連れでも大変過ごしやすく、家族でゆったりご飯を食べられて良かった」と話していた。

 松澤さんは「提供時間終了後には、卒園児同士が輪になり食事を囲みながら互いの小学校生活について語り合う姿を見られたのが印象的だった。子どもたちには島での思い出をできる限り多く残してあげたい。いずれ彼らが島を離れるとき、自分のルーツとして誇れるような、原体験となる機会をつくっていきたい」と話す。「徳之島は、塩づくり、闘牛、海遊びなど素晴らしい環境がそろっている」とも。

 今後は、「地域の農家や生産者ともよりつながりを強くしていきながら、地域食堂に限らず『徳之島の食』を中心に、卒園児主体でイベントを企画し、地域を盛り上げる流れをつくっていきたい」と今後への意気込みを見せる。

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