
国の重要無形民俗文化財である「与論十五夜踊り」が4月12日、与論地主・琴平神社(与論町立長)で奉納され、特別ゲストとして沖永良部島知名町瀬利覚(じっきょ)に伝わる獅子舞を披露した。
「瀬利覚の獅子舞」は知名町指定無形民俗文化財で、約350年前に琉球から伝承したといわれている。女性による前踊りの後、太鼓の音に誘われて獅子が入場し、境内を練り歩いた。
獅子に頭を挟まれると無病息災でいられるという言い伝えから、獅子の周りに親子連れや観光客、与論十五夜踊りの踊り手らが集まり、共に楽しむ様子が見られた。
十五夜踊りの奉納後には、出店が並ぶ広場で瀬利覚のメンバーが島唄ライブやヤッコ踊りを披露した。
与論町商工観光課の麓誘市郎課長は「十五夜踊り活性化のため、これまでさまざまな取り組みをしてきた。近隣の島の伝統文化と交流することで、互いの価値を再認識するという目的で企画をした」と話す。
ヨロン島観光協会の東和美さんは「私が知名町瀬利覚の出身というつながりで、獅子舞とヤッコ踊りを招くことができた。小学生の頃から獅子舞に参加してきた大好きな瀬利覚と与論の交流ができたことがうれしい」と振り返る。
海外からの観光客も数組訪れ、ノルウェーから来た観光客は「全く異なる文化を見るのは面白く、新しい体験。何百年も世襲で受け継がれることはヨーロッパでは聞かないし、体の動かし方なども興味深い」と話していた。