
1981(昭和56)年に奄美群島内で初めて設置されたエレベーターが4月7日で44年間の役目を終え、その後のリニューアル工事を経て、4月13日、無事再稼働した。
徳之島町亀津にある総合スーパー「ダイマル」が店内拡張に合わせて設置したエレベーターは当時非常に珍しく、導入記念特別謝恩大売り出しには多くの客がエレベーター目当てに来店。その思い出と共に次世代機種へバトンを渡した。
経営する義村商店は、鹿児島県徳之島町に拠点を置く小売企業。ダイマルの他、ファミリーマート3店舗、100円ショップ「キャンドゥ」3店舗、リサイクルマートと移動販売車「とくし丸」を経営する。創業者の義村信吉さんは大戦からの復員後、郵便局勤務を経て個人事業として卸売業を開始。1947(昭和22)年、故郷である徳之島亀津に食料品店を開業し、「義村商店」と名付けた。
ダイマルの現店舗は1973(昭和48)年に建設され、1981(昭和56)年に4階まで増築。その際、群島初の「動く階段」としてエレベーターを導入し、奄美群島全体にそのうわさはとどろいた。幼少期に人生初のエレベーターを経験した平隆行店長は「3階のおもちゃコーナーや中古ゲーム屋さんへ行くのが楽しみで、よく走って駆け上がっていた」と懐かし気に語った。
今回、エレベーターの部品製造が終了したため、リニューアルの運びとなった。主に食料品を扱う1階から衣類、100円ショップが入る2階までのエスカレーターが13日、新たに稼働を始めた。2階からリサイクルマートが入る3階までの部分は今月20日に再稼働を予定する。