
東京農業大学国際食料情報学部の学生5人が3月10日から、徳之島伊仙町でファームステイとして住み込みながら農業を体験している。
同学部では授業の一環としてファームステイを実施しており、町内の複数の個人農家などが有志で受け入れている。学生らは、ジャガイモの収穫やコーヒー収穫・焙煎(ばいせん)などの体験に加え、タンカンや島バナナ、サトウキビ、千年木(せんねんぼく)など徳之島ならではの作物に触れる機会を楽しんでいる。
国際農業開発学科1年の平岩悠姫さんは「有機の乳酸菌を使った農法やアグロフォレストリー(農業と林業を組み合わせた持続可能な土地利用システム)など、授業で学ぶ最先端のことが実際に見られて驚いた。カフェでアルバイトをしていて、よくコーヒー豆を扱うが、こんなに手間をかけて自分たちの手元に届いていたことを初めて、身をもって実感できた」と話す。徳之島での生活について「ジャガイモ収穫の作業は大変だが、畑仕事をして、みんなで食卓を囲んで、気持ちいい疲労感で早く寝て、都会では味わえない貴重で充実した毎日を送っている。島の人は皆さん優しくて、休日は観光に連れて行ってもらい、ウミガメやクジラも見ることができた。これだけ大自然が身近にありながら、インフラが整っていることにも驚いた」と話す。
受け入れ農家の福山宣太さんは、昨年8月に続き今回が2回目の学生受け入れ。「一人ではできないと思ったが、仲間に声をかけたことで実現できた。結果、『複数農家での受け入れ』で徳之島が実習先として人気だと聞いた」と話す。「農家志望でない学生もいるので、『農家の暮らし』を体験して、日本の一次産業の大切さを感じて、広げていくきっかけにしてほしい。自分たちだけで朝起きて支度をしたり、買い出しや料理、日々の計画を立てることなどは社会に出る上で大切なこと。このファームステイでの体験が今後の学生たちの役に立っていけば」と期待を寄せる。「今後も積極的に受け入れていきたい」とも。
学生たちは3月30日まで、島に滞在する。