
徳之島高校(徳之島町亀津)2年生による探究活動成果発表会が2月20日、徳之島町文化会館(徳之島町亀津)で開催された。会場には高校生のみならず地域住民や地元中学生も数多く来場し、ステージ発表とポスターセッションに興味深く見入り、会場からの鋭い質問に堂々と説明する高校生の姿が見られた。
成果発表会に向けて徳之島らしいテーマの探究活動に取り組んできた6チームのメンバーたち
日本全国の高校で実施されている「総合的な探究(学習)の時間」は、変化の激しい現代社会に対応する人材を育てるため国を挙げて全国小中学校で取り組まれている。探究的な見方や考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して課題を解決し、自らの生き方を考えていくための資質や能力を育成することを目標にしている。
徳之島高校でも徳之島の将来を担う人材育成という探究活動の目的を校内外で共有する機会として、毎年、成果発表会の場を設けている。毎年2年生を中心に5月ごろから約10カ月間、チームに分かれて、それぞれの探究テーマに取り組んでいる。
今年はステージ発表6組、ポスター発表10組の全16班に分かれて取り組み、ステージ発表のチームに選ばれる校内選考でも熾烈(しれつ)な競争があった。ポスター発表では「キャッサバの魅力を探る」「“味”利用魚を見つけ出せ!」など徳之島らしい切り口のテーマ発表があり、ステージでは「海洋プラスチックゴミから明るい世界へ」「私たちの替え歌で徳之島の島口を救う」など、高校生らしい感性を生かした発表が続いた。
発表後の会場からの質疑応答では活発に挙手があり、中には現役中学生からの鋭い質問も上がった。島口を救う取り組みとして誰もが知る童謡を島口で歌い音源化した源由愛さんと杉琴音さんは「人前で発表する機会はあまりないが、こうやって自分たちが調べたことを発表できて良かった」 「みんなで1年間通して探究して、徳之島の良い所を見つけられたので、これからも自分が育っている島を大切にしていきたい」と話す。黒糖新商品としての「琥珀(こはく)糖」をテーマ発表した寺村陽花さんは「人がたくさんいて、緊張してうまく話せなかったが、今までの成果を発表することができてほっとした」と安堵(あんど)の様子を見せた。