徳之島町亀津の中心街から少し外れたサトウキビ畑の中にたたずむ一軒家で現在、今年もクリスマスイルミネーションが点灯している。
イルミネーションの飾り付けを始めたのは8年ほど前だという家主の豊山浩資(ひろすけ)さん。知人が所有していたイルミネーションの点検をしてほしいと依頼され、点灯の確認のために飾り付けた。その後、知人から「全てを譲り受けてほしい」と懇願されたことがきっかけで、毎年、この時期を楽しみにしている島民のために夫婦で設営を続けている。
毎年恒例のイルミネーションだったが、今年は点灯できない可能性が起きた。庭先や屋根などに多くのイルミネーションを飾り、訪れる子連れの家族やカップルなどを楽しませてきた豊山さん夫婦は相次ぐ故障から、今年の点灯は半ば諦めていたという。
豊山さんは、「いつも世話になっている取引先」に相談したところ、使われていないイルミネーション(故障品は除く)を送ってくれる人を島内外から募ろうと提案された。豊山さんはSNSをやっていないが、取引先を通じてSNSで募集を呼びかけてもらったところ、島内に加え、島外は兵庫県からSNSを見たという人から数点のイルミネーションが送られてきた。
豊山さんは「反響が大きくて驚いている。今年はやめようかと夫婦で話をしていたが点灯できるようになった。夜になると家の電気を消して声を潜め、外から聞こえる歓声を楽しみに過ごしてる」と、点灯できた喜びに笑顔を見せる。「来年も夫婦で設営できたら」とも。
年内の点灯期間は19時から10時ごろまで。