11月8日からの記録的な豪雨で、与論島では道路冠水や家屋浸水、崖崩れなど甚大な被害が発生した。翌9日には島民が一丸となって復旧作業に当たり、特に茶花集落の市街地では与論高校の生徒約25人が自主的にボランティア活動を行い、地域全体で災害対応に当たった。
ボランティアで片付けに駆け付けたのは男子サッカー部と女子バレーボール部の部員など。被害の情報を知り、それぞれの部活のLINEグループで連絡を取りながら自主的に駆け付けた。学生らは排水やぬれた商品の移動、陳列棚の清掃、水没した冷蔵庫の移動などを手伝った。高校生だけでなく、小中学生や地域の住民も一緒に対応している。
バレーボール部の生徒は「普段からよくしてもらっているスーパーの社長に恩返しができればと思い連絡した」「商品の棚が2段目まで水没しており、被害の大きさを実感した」「作業しているうちに、皆で達成感を味わうこともできた」「本土で起きている災害などは今まで人ごとだったが、実際に被災すると、いろいろな所で困ってる人がいることを実感し、災害の影響を感じた」などの声が聞かれた。
サッカー部の生徒は「大人が指示を出すのも限界がある中で、自分たちで周りを見て動くことができた」「いつも島の人たちに世話になっているので、こういう時に手伝いができて良かった」と振り返る。
「ホームセンター7」の白尾健勇社長は「与論独特の助け合いがあった。家族、親戚のつながりや、サッカー部のOBだったので、そのつながりで来てくれた。2日で110人ぐらいのボランティアが集まり、おかげで早く仮オープンできてありがたい。社員だけだと1週間以上はかかっていた」と感謝する。
「ショッピングプラザトップ」の志摩晴文社長は「こちらから要請はしなかったが、高校生やバレーボール部の育成会や小学生、飲食店の従業員などが来てくれた。皆さんの絆を感じ、気持ちがありがたかった」と話す。
茶花集落以外にも島全体で住民同士が助け合い、復旧活動が進められた。役場や消防、土木建設業者なども、被害状況の把握やインフラの復旧に尽力した。
与論町では11月12日から2025年2月28日まで、豪雨災害の被災者を支援するために寄付金を募っている。