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徳之島・犬田布で400年の伝統行事「イッサンサン」 子どもたちでにぎわう

地元の高齢者施設を訪ね、福の神「イッサンボー」と共に歌を披露する子どもたち

地元の高齢者施設を訪ね、福の神「イッサンボー」と共に歌を披露する子どもたち

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徳之島・伊仙町犬田布(いぬたぶ)集落で10月19日夜、豊作祈願の伝統行事「イッサンサン」が行われた。

イッサンボーと共に各家々を回る

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 子どもたちを中心に、福の神「イッサンボー」を持って家々を回り、庭先で「イッサンサンぬ、サン(申)ぬとせ(年)が、カホウドセ(果報な年)~」と歌いながらイッサンボーと共に跳ね踊り、家主は餅やお菓子などでもてなした。

 イッサンサンの起源は徳之島が琉球(りゅうきゅう)王朝支配下にあった約400年前といわれ、飢饉(ききん)に苦しんだ犬田布住民が豊作祈願した翌年に見事に豊作となったことに由来する。その年が琉球王朝服属から133年目に当たることから、「イッサンサン(133)」と呼ばれるようになったという。

 集まった子どもたちは、犬田布集落内にある「イッサンサン発祥の碑」に向かって豊作祈願の歌とイッサンボーの踊りを奉納し、その後約4時間練り歩きながら、30軒以上の家々を回った。各家では子どもたち一行を来訪神と信じ、餅やお菓子を準備して歓待し、最後は公民館で集まった餅などを山分けして終了した。イッサンサンは当初祈願が行われた旧暦8月15日の前の戌申(つちのえさる)の日に行ってきたが、参加主体となる子どもたちに配慮し、今年は土曜日の夕刻に始めた。

 富祐司東犬田布育成会会長は「家庭教育学級での事前練習もあって、唄も歌えるようになった。小さな子から高校生までの多くの子どもたちにとっては、回った家の方が一緒になって歌い、踊り、喜ぶ姿を見て、うれしかったと思う」と目を細める。

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