与論町で11月9日、空き家活用をテーマにしたイベント「空き家トーク&DIY体験会」が開かれた。
主催は同町の住宅不足緩和に取り組む任意団体「やどまーぶい」。同団体が改修を手がける空き家を会場に、高校生~60代の幅広い世代の島民約13人が参加した。
前半のトークセッションは、「町の空き家事情と与論住まいるプロジェクトの活動紹介」と題し、町内での住宅不足や空き家利活用の現状を紹介。与論町では近年、移住希望者が増える一方、借りられる住宅が極めて少ない状況が続く。同プロジェクトは2022年に発足した官民連携の空き家対策事業で、主催の「やどまーぶい」も参画している。
「やどまーぶい」のメンバーで、同プロジェクトの実行委員長も務める江藤善真さんは「DIYで家を修理する楽しさと住宅問題の現状、空き家にさせない準備の重要性などを伝えたかった。幅広い人を巻き込んで相互作用を起こしながら、与論の住宅問題に取り組みたい」と話し、「空き家の所有者も気軽に建設課で相談してほしい」と呼びかけた。
後半のDIY体験会では、床板の張り替えという実際の古民家改修を通じ、実践的な段取りや工具の使い方を学んだ。インパクトドライバーや電動のこぎりを手にした参加者からは「難しい。ビスが全然入っていかない」「怖かったけど、楽しかった」などの声が上がり、先に体験した参加者が他の体験者に声をかけ、教え合う姿も見られた。
イベントを通じて参加者同士がアイデアや情報を共有する姿もあった。今年から地域おこし協力隊として同町に移住した佐々木晶美さんは「将来、古民家を改修してカフェと宿を開きたい。今日の体験で、床は張れる自信がついた」と笑顔で述べ、他の参加者と意見を交わしていた。
「やどまーぶい」は同プロジェクトを通じて、引き続き住民の実践を支えながら今後もワークショップやセミナーを継続的に行い、住宅問題解決の輪を広げていく方針。